死の味(新版)/PDジェイムズ(著)/青木久惠(訳)/ハヤカワ・ミステリ文庫
PDジェイムズは好きなミステリ作家。この『死の味』も素晴らしい作品でした。珍しくラストにアクションシーンがありますが、そこだけちょっと違和感。それを差し引いても楽しめました。上下合わせて900ページ弱ありますが、じっくりと読んで欲しいです。
『・・・まあね。店の敷地内で死人が出て、喜ぶレストラン店主もいない。死は生の真只中にも訪れるが、食事の最中は困る。運の悪いロブスターを、生きながら煮湯に落とすのと、店の敷地内で客が溺死するのとでは、話がまったく別ということらしいですね。ロブスターが何も感じないなんて、どうして言えますか。・・・』
『・・・そして自分の通った学校を思い出した。アンクロフト総合中学校にもちゃんと宗教があった。時代の先端をゆく、そして二十ヵ国の人種の集まる学校としては都合のいい宗教。人種差別反対である。この基本教義に忠実でありさえすれば、どんな反抗、怠惰、愚昧もとがめられない。ケイトは、人種差別反対が他の宗教とそっくりなのに気がついた。自分に好都合な意味づけができるし、習得は容易。陳腐な言葉を二、三と神話、それにスローガン。寛容性に乏しくて、相手を差別して攻撃する際に都合のいい口実を与えてくれる。嫌いな相手を見下しても道徳的な善をなしたと思える。とりわけて素晴らしいのが、一銭もかからないことだ。ケイトは人種差別を目の当たりにした時、たとえば猥雑な落書きや侮蔑のことばを浴びせかける声、家に立てこもって、外に出るのを怖がるアジア系の家族に出くわした時など、冷たい怒りが全身を走るが、それと子供の頃の教化とは無関係と思いたかった。連帯の幻想を抱くために校風が必要なら、ケイトにしれみれば人種差別反対は決して悪くない。人種差別反対がどんな馬鹿げた形をとったとしても、埃っぽい教会で幻を見ることになるはずがないのだから。』
『・・・それに彼だって、私にミサに出席してほしくないでしょ。来るとは思っていないわよ。彼自身、ああいうことは大嫌いなはずだわ。そりゃあ、何もかも素晴らしく趣味がいいんでしょ。念入りに選んだ言葉や音楽、立派な衣装、立派な参列者。でも褒め讃えられるのはパパじゃない、個人じゃないのよ。階級、政治哲学、特権クラブを讃えるだけだわ。お祖母さまたちって、自分たちが育ってきた世界が死んだことが、どうしても納得できないのね。もう死んだのよ。』
Ceiling Unlimited (revival)
2018年10月 BCL再開。2022年夏 30年振りにアマチュア無線再開。いずれもDXができる環境になく、また突発性難聴のためボリューム絞りがちです。BCL用のアンテナは屋根に上げた中華製ループ、無線はベランダ設置の8mワイヤーアンテナです。こちらもどうぞ → https://www.qrz.com/db/JJ1XVA
2024年4月20日土曜日
死の味(新版)/PDジェイムズ(著)/青木久惠(訳)/ハヤカワ・ミステリ文庫~積読消化
2024年4月11日木曜日
深夜プラス1(新訳版)/ギャビン・ライアル著/鈴木恵訳/ハヤカワ文庫~積読消化
深夜プラス1(新訳版)/ギャビン・ライアル著/鈴木恵訳/ハヤカワ文庫
ハードボイルドの原典的な作品。一気に読めてしまいます。是非他の作品も新版で出してほしい。フランス・スイスの地図を片手に読むことをお勧めします。
表紙の絵は拳銃ではなくて、シトロエンDSか1930年式ロールスロイス・ファントムⅡにして欲しかった。
『・・・モントルーはイギリスの金持ちが死ににくる場所のひとつだ。バーミューダやナッソーは俗でアメリカっぽいうえ、現地人が生意気になっている―そう考える人種にここは向いている。モントルーの現地人は決して生意気にならない。九月から五月まで、ホテルはローストビーフとカレーしか出さないし、それもうまく料理しすぎないように細心の注意を払っている。ダイニングルームは品のいい老婦人であふれ、こちらのシェル石油株の最後の半ダースまでむしり取るような冷たい眼を向けてくる。顎鬚をはやしたりギターを持ったりしていたら、正午に車椅子の大軍に轢かれて処刑される。』
2024年4月10日水曜日
2024年4月7日日曜日
2024年4月5日金曜日
2024/4/4(木) DXCC MIX 200リーチ
2月以降無線へのモチベーションがだだ下がり。落語、旅行、ミステリ小説が中心で、無線は時折ペディションの追いかけをする程度。今日LoTWをチェックしたところ、グレナダ J38R、シント・マールテン PJ7AA、レソト 7P8EI、トンガ A31DL、オーストラル諸島 TX5XGがCFMされて、ようやくMIX 199。Juan FernandezがCFMされれば200になりますが、気長に待ちますー
死の味(新版)/PDジェイムズ(著)/青木久惠(訳)/ハヤカワ・ミステリ文庫~積読消化
死の味(新版)/PDジェイムズ(著)/青木久惠(訳)/ハヤカワ・ミステリ文庫 PDジェイムズは好きなミステリ作家。この『死の味』も素晴らしい作品でした。珍しくラストにアクションシーンがありますが、そこだけちょっと違和感。それを差し引いても楽しめました。上下合わせて900ページ弱あ...
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トラッキングジェネレーター、スペアナは持っていないので、デジタルマルチメータ、オシロ、周波数カウンタ、SG代わりのDDS発信機(貴田電子のキット)等を使い、できる範囲で調整 IF SHIFTがどうしてもサービスマニュアルの値にならず。サービスマニュアルは海外のサイトからダウンロー...
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22MHz以上がPLLアンロックで送受信できない状態 海外の記事からD44のバリキャップ(ITT310TE)が怪しいと睨みました。一気に修理を完了させたいので、Q21周りのデバイスをひととおり用意しました。 2SC2668Y, MA858は秋月で同等品を購入。ITT310TEは、...